薬の正しい飲み方、知ってますか?
今回は知っているようであまり知らない薬の正しい飲み方について薬剤師のメンバーに書いてもらいました。
では早速、知っている事もあるかと思いますがおさらいがてら一緒に見ていきましょう
①薬を飲む前に説明書を読みましょう
ドラッグストアなどで買える薬には使用説明書(添付文書)がついており、病院でもらう薬は薬剤情報提供書というお薬説明書と一緒に渡されます。これらの説明書には薬の効果や飲み方、副作用や保管上の注意点など大切な情報がたくさん書かれています。薬を飲む前に必ず説明書を読んで、捨てずに保管して必要な時にすぐ読めるようにしましょう。
②薬の用法・用量を守りましょう
薬の飲む量やタイミング、間隔を守らないと、うまく効果が発揮されなかったり、副作用が起こりやすくなったり耐性の発達を促してしまったりの薬物相互作用が起こったりします。きちんと薬の効果を得るためには、決められた用法•用量を守ることが大切です。
各薬物はその特性と対象とする疾患によって、服用の方法やタイミングが大きく変わる可能性があります。医師や薬剤師からの指示に従って、薬を正しく服用することが重要です。
③薬はコップ 1 杯のお水かぬるま湯で飲みましょう
飲み薬を水なしで飲んだり、少ない量の水で飲むと、錠剤やカプセルがのどや食道にくっつき、粘膜を痛めることがあります。こうした事故を防ぐためにも、コップ 1 杯程度の水かぬるま湯で飲むことを心がけてください。ただし、医師から水分摂取の制限などの指示がある場合は、その指示内容に従ってください。
④薬の飲み合わせに気をつけましょう
薬と薬には相性があります。複数の薬を一緒に飲むことで効果が強くなりすぎて体に悪影響を及ぼしたり、逆に薬が効かなくなって治療の妨げになることがあるので、飲み合わせには注意が必要です。
また薬同士だけでなく、食べ物や飲み物、サプリメントの中にも薬と飲み合わせの悪いものがあります。薬を飲む前に、一緒に服用してはいけない薬はないか、食べてはいけないものはないかなど、使用説明書をよく読んで確認しましょう。
【注意したい飲み合わせの例】
★かぜ薬×解熱鎮痛薬
同じ成分または類似した作用を持つ成分が重複してしまうと、効果が強くなりすぎたり、副作用が出やすくなったりします。
★抗菌薬×制酸薬
一部の抗菌薬(ニューキノロン系抗菌薬、テトラサイクリン系抗菌薬)は、アルミニウム又はマグネシウムを含む制酸薬と一緒に飲むと、ミネラルが抗菌薬にくっついて吸収率が下がってしまい、その抗菌薬の効果が弱くなります。
もしどちらの薬も使う場合は、抗菌薬を飲んだあとに1~2 時間程度間隔を空けてから制酸薬を飲みましょう。
★かぜ薬×カフェイン入りの飲み物(栄養ドリンク、コーヒーなど)
多くの市販のかぜ薬には、カフェインが配合されているものがたくさんあります。
上記の組み合わせで使うと、カフェインが重複して過剰摂取となり、不眠やイライラ、頭痛などの原因となります。かぜ薬使用中はカフェイン入りの飲み物は控えるようにしましょう。
★便秘薬×乳製品
ビサコジル配合の便秘薬を乳製品と一緒に摂ると、腸で溶けるようにつくられた便秘薬が胃で溶けてしまうことで効果が弱まったり、胃が荒れて腹痛をおこすおそれがあります。
もし乳製品を摂るときは、便秘薬を飲む前後で 1 時間以上空けるようにしましょう。
⑤薬は正しく保管しましょう
薬は高温多湿や直射日光を苦手とするものが多く、保管場所が悪いと、変色を起こしたり薬の成分が変化して効き目が弱くなったりすることがあります。使用説明書をよく読み、薬を適切に保管するようにしましょう。
また、子供の誤飲を防ぐために、薬は必ず子供に手の届かない場所に保管することを心がけてください。
⑥使用期限を守りましょう
食品と同じく、薬にも使用期限があります。使用期限が過ぎた薬は、成分が分解し変質している可能性があるので、期限が過ぎている薬は未開封であったとしても捨てましょう。
また、病院で処方された薬は、受診した時点の体調や症状に合わせて処方されているので、その決められた期間に飲みきることが原則です。薬が余った場合は処分するか、その薬をもらった病院や薬局で、医師もしくは薬剤師に相談しましょう。