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市販の便秘薬の種類と使い方について


普段の生活の中で、便秘でお悩みの方は多いのではないでしょうか?便秘は、生活習慣の乱れやストレス、加齢などさまざまな原因により引き起こされます。便秘が続いているときに、市販の便秘薬を使うこともあるでしょう。しかし、便秘薬にもさまざまな種類があり、それぞれ異なる作用を持っているので、自分の症状にあった薬を選択することが重要です。このコラムでは、主な便秘薬の種類とその特徴、使用方法について解説していきます。



便秘薬は大きく2種類(非刺激性・刺激性)に分けられる

1. 非刺激性下剤:塩類下剤、膨張性下剤、糖類下剤などがある

(1)主な作用

便に水分を含ませてカサ増ししたり柔らかくすることで、便を出しやすくする


(2)有効成分

★塩類下剤:酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムなど

【市販薬の例】

酸化マグネシウムE便秘薬、スルーラックマグネシウム、錠剤ミルマグLX


★膨張性下剤:プランタゴ・オバタ種子など

他の下剤成分に補助的に配合されていることが多い。

【市販薬の例】

スルーラックファイバー(プランタゴ・オバタ種子+刺激性下剤センノシド)


★糖類下剤:マルツエキス

【市販薬の例】

和光堂マルツエキス →乳幼児向けの便秘薬



(3)どういう便秘に効くか

便が硬くて出しにくい便秘に効果あり





(4)メリット・デメリット

〇メリット:塩類下剤は速効性があり1~3時間程度で効果が出やすい

連用することで効果が薄れてくることはない

作用がマイルドなので、刺激性下剤よりも腹痛が起きにくい


✖デメリット:塩類下剤は副作用に高マグネシウム血症があり、

長期で使用している人や、高齢者、腎障害がある人は特に注意が必要。

:効果の速さは個人差があり、数日かかることがある


(5)適切な使い方、注意事項

・便を水分で柔らかくするために、多めの水で飲むことを心掛ける。

高マグネシウム血症状の初期症状吐き気、嘔吐、立ちくらみ、めまい、脈が遅くなる、皮膚が赤くなる、力が入りにくくなる、体がだるい、眠気でぼんやり・うとうとするがみられたらすぐに服用を中止し、直ちに医療機関を受診する。



2. 刺激性下剤

(1)主な作用

直接腸を刺激することで腸の運動を活発化して、便を外に出しやすくする


(2)有効成分

ピコスルファートナトリウム、ビサコジル、センノシド、センナ、ダイオウ、アロエ など

【市販薬の例】

ビューラック・ソフト、コーラック、スルーラックS、タケダ漢方便秘薬


(3)どういう便秘に効くか

腸の動きが弱まっている便秘に効果あり

(便がスッキリ出ないと感じる方、残便感のある方に向いている)


(4)メリット・デメリット

〇メリット:速効性があり、数時間以内に効果が現れることが多い

作用が強く効き目を実感しやすい


✖デメリット:長期で連用すると腸が慣れてしまって薬が効きにくくなるので、

継続的な使用には適さない。

腸を刺激する分、腹痛が起こりやすい。


(5)適切な使い方、注意事項

・効果が出るまで数時間のため、寝る前の服用が一般的

短期間の使用に限定し、長期間の連続使用は避けること



妊娠中や授乳中の便秘薬はご相談を

妊婦中の方で便秘の症状がみられる場合は、体調経過や妊娠時期などを考慮して薬を適切に選択する必要があるため、まずはかかりつけ医へ相談することが大切です。例としてダイオウ、センノシドやセンナなどは子宮収縮を引き起こす可能性があるので、リスクをきちんと理解しなければなりません。

授乳への影響についても、下剤成分のうち一部(センノシド、センナ、ダイオウ、カサンスラノール)が母乳中に移行するとされていて注意が必要です。乳児への影響が少なく使用できる薬もありますので、便秘薬を使用する際は医師や薬剤師に相談するようにしましょう。



まとめ

便秘薬は多種多様で、自分の症状や生活スタイルに合ったものを選ぶことが大切です。

市販の飲み薬に関しては、まずは非刺激性下剤から使ってみるのをおすすめします。少量から飲み始めて、数日たっても効果がないようならだんだん服用量を増やしてみる、といったように下痢にならないよう便秘の状況をみながら使用してみましょう。ただし薬の調節は、用法用量の範囲内で行うようにしてください。それでも効果がみられなければ、刺激性下剤を試してみるとよいでしょう。

しかし、便秘薬はあくまで一時的な解決策であり、根本的な解決には、食生活の改善や適度な運動、十分な水分摂取など生活習慣の見直しが必要です。

一方で、薬を飲んでも便秘が改善しなかったり、激しい腹痛・吐き気、血便など別の症状もみられる場合は、重大な病気が原因となっている可能性も考えられます。気になる症状があれば早めに受診して医師に相談するようにしましょう。


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